医院経営の不安を解消!開業準備の全体像と成功ポイント3つ

勤務医として経験を積み、「そろそろ開業したい」と思う一方で、資金や物件、スタッフ採用など何から手をつければいいのか分からず、開業への不安や孤独を感じていませんか。

本記事では、開業までの全体の流れと医院経営を成功させるポイントを分かりやすく解説します。

開業への不安を解消し、理想の医院経営に向けて着実な一歩を踏み出しましょう。

【医院経営】開業には2つの方法がある

開業を検討し始めると、「個人と法人、どちらがいいのか」と迷う医師も多いでしょう。

開業には大きく分けて、「個人事業主」と「医療法人」の2つの方法があります。目指す経営によって適した形は異なりますので、それぞれの違いを見ていきましょう。

個人事業主として医院開業する

個人で開業する医療機関は、一般的に「医院」や「クリニック」と呼ばれます。1名で開業が可能で、法人登記も必要ないため、開業手続きがシンプルな点が特徴です。

医院経営を院長自らの裁量で行える点、資本金の準備は必要なく、資金繰りを柔軟に行える点もメリットと言えるでしょう。

ただし、所得税は累進課税のため、所得が上がるほど税率も上がり、税の負担は大きくなる点は押さえておく必要があります。

医療法人として医院開業する

医療法人として医院を開業する場合、法人税が適用されます。所得税より税率が抑えられるため、利益が多い医院ほど節税効果が期待できるでしょう。

また、分院展開による事業拡大や、事業承継・相続のしやすさもメリットとして挙げられます。

一方、設立費用に加え、社会保険加入義務や税理士報酬などの運営維持費がかかるため、個人事業主より運営費は高くなる傾向にあります。

【医院開業】全体の流れを解説

この章では、医院開業の流れを解説します。まずは全体像を把握して、必要なことや手続きを知ることから始めてみましょう。

ステップ1:経営理念・診療方針を決める

まず、今後の核となる経営理念や診療方針を決めましょう。

たとえば以下のような視点で考え、経営者としての想いを明確にしておくことが重要です。

・医院(クリニック)を開業する理由
・患者さんにどんな医療を提供したいのか
・将来的にどのような経営をしていきたいのか

こうして明確にした経営理念は、開業後の診療方針やスタッフ採用の判断基準となり、患者さんの満足度向上と優秀なスタッフの確保にもつながっていきます

ステップ2:開業エリア調査・事業計画の策定

開業エリアの調査を入念に行い、候補エリアを決めながら事業計画も策定しましょう。

綿密な事業計画は開業後の運営を成功に導くだけでなく、銀行から融資を受ける際にも必要です。開業エリア、家賃、収益予測、人件費などを盛り込んで作成します。

事業計画の策定や資金計画は専門的な知識も必要なため、1人で進めるには迷うことも多くあるでしょう。税理士やコンサルタントなどの専門家に相談しながら進めれば、理想のクリニックを安心して開業できます。

ステップ3:物件探し

開業エリアを決めたら、次に物件探しです。

以下のような点を中心に、データを集めていきましょう。

物件探しのポイント】

・周辺の人口と年齢構成
・候補地周辺へのアクセス状況(最寄り駅からの距離、車・バスでの来院のしやすさなど)
・時間帯による人の流れ(平日・土日、朝・昼・夕方・夜)
・競合クリニックの状況

開業候補地には何度も足を運び、実際の状況を確認したうえで最終的に判断・決定するのが非常に重要です。

ステップ4:開業資金の調達

次は、開業するために必要な資金の調達です。

開業には多額の資金が必要です。自己資金に加え、日本政策金融公庫や地域の民間銀行からの融資が一般的です。

また、要件を満たせば、以下のような補助金や助成金を活用できるかもしれません。一度確認してみるといいでしょう。

・デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
・自治体の起業支援金
・ものづくり補助金(条件により個人開業医も対象)

※内容は年度ごとに変わるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

ステップ5:内装工事・医療機器の決定

資金調達の目処がたったら、内装工事や導入する医療機器を選定します。

内装はクリニックの雰囲気を印象付ける大事な要素のため、コンセプトに沿って決めましょう。患者さんやスタッフにとってストレスのない動線も、細かい部分ですが見逃せないポイントです。

医療機器の選定では、購入だけでなくリース契約も選択肢に入れ、開業当初からフル装備を揃えず集患状況を見て段階的に導入する考え方も大切です。

資金計画に無理のない範囲で機器を見極めることが、経営の安定につながります。

ステップ6:集患戦略(PR活動)

集患戦略(PR活動)は、地域の患者さんに医院を知ってもらう大事な施策です。

患者さんに来院してもらえなければ医院経営は成り立たないため、開業前からPR戦略を立てておく必要があります。

具体的には、ホームページ作成や看板・チラシでのアピール、開業直前の見学会などが挙げられます。

また、Web予約システムを導入し、患者さんが利用しやすい環境を整えることも、継続通院につながる施策といえるでしょう。

ステップ7:スタッフ採用

集患活動と合わせて、開業の3〜4ヶ月前からスタッフ採用も進めましょう。

スキルや経験だけでなく、経営理念への共感度も見極めるのがポイントです。開業前の研修を徹底すれば、患者満足度の向上にもつながります。

求人サイトやハローワークで募集をかけることが多いですが、知人からの紹介なども心強い方法です。

スタッフの評判はクリニックの評判に直結するため、採用には力を入れましょう。

ステップ8:保健医療機関への申請

医院を開業するには、さまざまな行政機関への届け出が必要です。開業前に、各機関への申請を行います。

特に重要なのが以下の2つです。

・管轄の保健所へ提出する「診療所開設届」
・管轄の厚生局へ提出する「保険医療機関指定申請書」

上記の申請は提出期限が決まっているため、遅れると開業スケジュールに影響が出てしまう可能性があります。受理されないと保険診療ができないため、必ず期限までに提出しましょう。

【開業】医院経営を成功させるポイント

医院を開業してからが本番です。この章では、医院経営を成功させるための3つのポイントをお伝えします。

経営に関する知識

開業医になると、勤務医のときとは違い、経営視点を持つことが非常に重要になります。

医院の収支を把握し、業務の効率化を意識していくことが必要です。特に、資金繰り管理や損益分岐点の把握、レセプト管理は経営の土台といえるでしょう。

院長が診療や経営判断に集中できるようにするためには、1人で抱え込まず、税理士やコンサルタントなどの専門家に相談しながら経営していく方法もあります。

マーケティング視点

集患対策に力を入れ、医院の認知度アップを行うマーケティングはとても重要な要素です。

まずは、事業を継続していくために必要な患者数を把握しましょう。

そのうえで、以下の戦略例のような患者数を確保するためのPR活動や、受診した患者さんが次も来院したいと思える環境づくりをしていきます。

具体的な戦略の例】

・ホームページの作成(スマホ対応)
・SNSでの宣伝
・看板やチラシなどオフラインでのPR

スタッフのマネジメント

スタッフマネジメントも、大事な経営スキルです。

医院運営は、一緒に働くスタッフとチームで行っていくものです。残念ながら、スタッフとのトラブルをきっかけに離職率が高くなるケースも少なくありません。

ミーティングなどでスタッフの声を吸い上げ、働きやすい職場環境を整えることで、スタッフの定着率を上げることが、ゆくゆくは患者さんの満足度にもつながります。

まとめ:開業後の医院経営を成功させたいなら、専門家に相談するのも1つの選択肢

本記事では、医院開業までの流れと経営を成功させるポイントを解説しました。

診療だけでなく経営に関わることに不安を抱える医師の方も多いことでしょう。

幅広い経営判断を行うことになるため、税理士やコンサルタントなど専門家の力を借りるのも選択肢となります。悩みを1人で抱えこまずに相談しながら進められるのは、大変心強いはずです。

当Progress会計事務所は、これまで多くの院長先生の経営ご相談に乗ってきました。理想の医院経営を実現するために、院長先生が抱える課題を一緒に考えてまいります。

ぜひお気軽にご相談ください。

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